脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について


脂肪性肝障害 (脂肪肝)

脂肪滴を伴う肝細胞が30%以上を占める状態です。

健診受診者の20-30%に認められます。(アルコール摂取者も含む脂肪肝)

 

超音波検査では腎臓と比較し白く描出されること(CTでは黒く描出)が特徴。

 

 


非アルコール性 脂肪性肝障害(NAFLD)

飲酒歴はない(または飲酒量の少ない)アルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害です。

 (アルコール:男性30g/日, 女性20g/日以下)

健診受診者の約8%に認められます。  

 

非アルコール性 脂肪性肝炎(NASH)

NAFLDのうち約10%に認められます。

5-10年の経過観察で肝硬変に進展する例が5-20%存在します(肝線維化)。

肥満や生活習慣病が改善されない症例では病態が徐々に悪化します。

 

線維化の進行は、血液検査で予測可能です。(線維化マーカー:ヒアルロン酸・Ⅳ型コラーゲン7sや、AST・ALT・血小板を用いたスコア(FIB4)など)

また、超音波装置を用いたエラストグラフィーやshear waveでの肝硬度測定も参考になります(当院で検査可能超音波検査はこちらをクリック)。

 

最終的な診断には、組織検査が必要です。

 

 

NASHからの発癌

NASHからの肝硬変患者のうち約3%に肝発癌を認めます。

定期的な超音波検査(年2回程度)が望ましいです。

腹部超音波検査はこちら